プレイベント田楽舞を終えて
今回、「水と土の芸術祭」の泥花プロジェクトで行われた田楽
舞には“CROSS ROAD(畦道)”という題名があります。エリッ
ク・クラプトン?!ミスチル?どちらもいいと思う。
田んぼの中心にある花までの畦道がクロスしていて、人が行き
かう、様々なの心が交差する場所。このプロジェクトで、季節
と自然通じて、12月まで、人と人との関わりにより、一つの作
品が生まれる。
“コンテンポラリー田楽”ということを私は行ってきました。6
月8日の産経ニュースにも記載があったように、「現代版田楽
」ということ。田楽というと味噌田楽=これは、田んぼで踊る
「高足の舞」に似ているところからきてます。昔は田植えをし
ながら豊作を願い、踊ったり、歌ったりしました。今の農業で
は、機械化が進み、そのような儀式は見られなくなりました。
これをやろうというのが私の踊りのコンセプトです。農業に関
わらず、サラリーマンや自営業や何でも、踊ったり歌ったりし
て仕事を楽しむという、原始的なことをこの不景気で社会不安
がある中、楽しくやろうというものです。よさこいや盆踊りの
ように振りつけがあるものではなく、誰でも踊ったり歌ったり
する。どちらかというとテクノのレイブのようなものです。で
もテクノのレイブでは、お金を払ってどこかへ行かなくちゃな
らない。伝統が続いているアジアの国などには、田楽のような
踊りが残されている場所は多いですね。日本だと沖縄でしょう
か。去年は日比谷公園の小音楽堂で“コンテンポラリー田楽祭
”を行いました。まだ、誰もが参加できるというものではなか
ったけれど、人目が多い日比谷公園という場所で、様々なアー
ティスト(田楽法師)に面白い企画を行って頂きました。
新潟の広大な田園風景を見て、ここで田楽がやりたい、と思っ
た。私は普段、東京の劇場やギャラリー、ライブハウスなどで
踊りの作品を発表していますが、お客様も舞台が好きな人や関
係者に限られてしまう。踊りというのは、もっとラクで楽しい
もの。時に人種や国境、世代も越えて、一緒に楽しめるもので
す。路上で踊りをしていると、酔っ払いの人が一緒に踊ってく
れたりします。海外では、韓国で私はお客さんで見てくれてい
た子供と踊ったり、今回の田楽舞でも踊り手の譱戝さんが子供
と一緒にはしゃいでくれましたね。それが躍りだと思う。
私のうちは私が12歳まで専業農家でした。今だから、「農家い
いね!」と東京で知り合う人に言われますが、当時は嫌で仕方
なかった。農業の大変さを嫌というほど見せつけられていたか
ら。新潟の方々ともこのプロジェクトを通じて、農作業を一緒
に楽しんでやれたらと思います。
田楽舞はこれからも続けたい、と思ってます。もしこれを読ん
でいる方で、何か要望がありましたら遠慮なくご連絡下さい。
泥花プロジェクトとして、空土のメンバーが参ります。今後も
この「水と土の芸術祭」が多くの人に楽しんで頂けるようイベ
ントを盛り上げていきます。
南阿豆
by carat-dorohana
| 2009-06-10 07:08
| ワークショップ